Your expect language

□broke thread
1ページ/4ページ

いや…


嫌………


…………っ…



【Your expect language--broke thread】



「うぅ…」


苦しい。

苦しい。

ボクは床に手をつけて、うなだれていた。

苦しい…


ボクはまた幻覚を視たあとだった。

「サレ…」

今は夜中。夢に追われて目を覚まし、目を覚ましても幻覚が待ち受ける現実。
怖い。生きていたくない。
けれど…ボクは…サレが愛しい。だから死ねない。

両挟みだった。


「サレ…」

ボクの隣で眠るキミの横顔は、白くて。
ボクが起きたのにも気づかないまま眠っている。

ボクはサレに寄る。

「………」

不安になる
ボクは今、ひとりなのだ。
ひとり…眠るサレと同じ空間にいる。ただそれだけなのだ。
活動していないキミと、夜闇がボクを浸食する。
ボクは怖くてサレに抱きついた。

「ん…」
「…サレ…」
「…んん…
ぼうや…?」

重たそうに瞼を開き、ボクを見つめるサレの瞳。

「また…視たのかい?」
「…ぅん」

ぎゅ、と一層サレに強く抱きつく。

サレといるのに

なにかが空っぽ…

なんでなのかな…





「ごめんネ…サレ…」
「ん…謝らなくてもいいよ、ぼうや…」

サレはいつも優しく言ってくれる。
いつも…

それを疑いたくもないのに、疑ってしまう自分が居るのにボクは気づいてた。

「サレ…」
「…ん」
「なんで…優しくしてくれるの…?ボクをこんなにしたから…?」
「……」

悪魔の種子が頭をもたげた。
トーマの言ってたことは嘘だって、信じていたかったから。

しかし期待とは裏腹に、サレの少し表情が冷める。

「………」
「サ…、サレ…?」

苦い表情をしてサレが頭を抱える。それは何かを我慢しているように見えた。

…やはり、自分がサレの足枷になっているのかもしれない。

「……ごめん…ネ…」
「…なんで謝るの」
「………」

気まずい雰囲気が流れる。
ボクはサレが答えなかったのがなぜかわからず、ただ俯いていた。





ボクは廊下を歩いていた。

トコトコと音をたてながら、ユージーンのもとへ走っているところ。

一応、王の盾の宅配便みたいな役割にまわされているので、手紙を届けるために。

「…ん?」

ぴた、と走る足を止める。今さっき、曲がり角からサレと将軍が見えた。



.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ