Your expect language

□inner heart
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「…ッ!?それ……っ」

マオぼうやが見せた腕には、継ぎ目の無い縄が巻き付いていた。途中で焼け切れてはいるが…結構長い。
そして、その肩からは、衣服がずり落ちていた。

「…誰…が…」

明らかにぼうやを犯そうとしていた光景。僕は怒りが込み上げてくるのがわかった。
大方、小さなマオぼうやが喋らなくなったのを機に、不届きな輩が襲ったのだろう。
ぼうやが能力者じゃなかったら今頃………。

ぼうやは答えず、ただ僕を見上げているだけだった。

炎が消える。

僕はぼうやに近寄り、抱き上げた。

「帰ろう。嫌かい?」
「……」

答えはない。
しかし、姫抱きにされたぼうやが僕に身を預けた。それだけで、十分だった。



「着いたよ」

ベッドの上にぼうやを降ろす。

…が、ぼうやは抱きついたまま。手を離してくれない。
怖かったのだろうか、と思い、「このままがいい?」と聞いた。
ぼうやは小さく頷いた。
そんなぼうやが可愛くて
僕の胸にうずくまっているぼうやが可愛くて
僕にひっついているぼうやが可愛くて

つい、ぼうやのおでこにキスをした。


その時、マオがほんのり顔を赤らめたのを、サレは知らない。



心を閉ざしているわけじゃ

ないんだヨ…

記憶がもの凄くあやふやで…思い出せないんだ

思い出せるのはサレだけで…

でも

ボクは君もなにもかも、全てが怖くて

それでも…

君と居たくて。

喋り方も

接し方も

感情もわからなくなったボクだけど…

それでもボクは

キミが好き。


FIN.
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