Your expect language

□have terrors of dream
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白いボクの意識が

更に白く上塗りされた。


「ぼうやぁっ!」



【Your expect language-have terrors of dream】




目が覚めて、まだ覚めきっていない脳を極限回転させて状況を把握する。

ボクがいるのは医務室。

「目が覚めたか」
「………」


聞き覚えのある声。えっと……

「ミリッツァだ。わかるか?
…といっても、お前は答えれないか」

ミリッツァ…?
なんでボクはこんなところに。

「お前は不慮の事故で転落したんだ。生きてるだけでも凄いと聞く」

瀕死だったそうだ、とミリッツァ。
…どこから落ちたっけ…

「サレを呼ぶ。嫌か?」
「……」

軽く首を横に振る。
虚無を見つめ続けていてもつまらない。
何かを与えてくれる人が、今は欲しい。

「では、少し待っていろ」

バタン、と扉が閉まる。
ボクは少し待つ。
こんな状態になってから、平常心のときなら待つのもかなり慣れてきた。
なにもない脳に入ってくるのは外の音。
無音というBGMに、微細な音がメロディー。
悪くはない。

今は…夜?

虫が鳴いているだけだ。廊下から音もしない。

…呼ばないほうがよかったかな。


そんなこんなで、少し脳を動かしていると、扉が開く。

「ぼうや…っ、目…覚めた…んだね」

息が切れてる。走ったにしては音があまりしてなかったような…

それは置いといて、ボクはまだ上手く喋れない口でサレに訊いた。

「………いま…」
「あぁ、今?夜中だよ。消灯直後」

…直後…

「………ごめ…」
「謝らないで。どうせ寝れないんだから」
「………ん」

早いだけよかったと思ってよ、とサレ。
そんなサレの言葉が嬉しい。…いや、サレだから嬉しいのかもしれない。

「……うで…」
「点滴されてるんだよ…抱きつきたいの?」

こくん、と頷く。


どのくらい眠っていたかは知らないけど…
サレのぬくもりを感じたい。

「ぼうやは点滴してるからダメだけど…」

そういいつつ、ボクを起こすサレ。
そのまま、ボクを包み込んだ。

「これならいいよね」
「…………サ、レ…」

好き。

好き……

大好き…

離れたくないヨ…
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