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「うん…。治ってきた、ヨ」
「喋り方もカタコトではなくなってきたな」

回復傾向はいいことだ、と頭を撫でてくれる。

ミリッツァはとっても優しい。

ボクは嬉しい。


「しょーぐんは何のお仕事、してたの?」
「争乱のことについて…印をつけていたようだな。噂だが」

噂…

「ミリッツァ…噂話するヒト居たの?」
「少しはな。
現にお前が居るだろう?」
「あ」

ぽふ、と口元を押さえる。

それを見たミリッツァは、くすくすと笑い出す。

「居場所が無いと悩んでた私だが…今ではバカのようだ」
「…?」
「私にだって居場所があったんだからな」

教えてくれたのはお前だぞ?と頭を撫でながら言うミリッツァ。

ボクはミリッツァがそれで悩んでたのを知る余裕がなかった

ミリッツァも悩んでたんだネ…


「ありがとう、マオ」


…ありがとう…?


なにに?



まだ頭が回らない



けど



ボクは頷いた。







「サレっ、早く外、行こっ」
「待ってよ」

外に興味なんてわかない


はっきりいって怖い。


でも


何かがあるはず。


ボクは明るくいこうと、テンションをできるだけあげた。

ネガティブだから幻覚を見るのかもしれない

サレが心配しない自分になりたい

元の自分に戻りたい

ただ

その一心で。



「どこいくの?」
「んっと…」

あたりを見回してみる。
色々店は立ち並んでいるが…

「広場がいい、な」
「そう…じゃ、行こうか」




風が吹き荒れる

涼しい日

あたりを走り回る子や

何やら追いかけられてる小柄なガジュマの男。

サレはそれをみてため息をついてたりして。


のどかだった。


「風…」
「ん?」
「風…、サレみたい」
「僕?」

なんでだろう

吹き荒れる風がサレみたいで。

優しくて

でも冷たくて

心地いい。


「僕、ねぇ…」

ふーん、と言い、宙を眺めているサレ。

外は


新鮮だった。


「……」

怖がってたヒトも、

皆穏やかに笑っている。


それが一部の顔でしかなくても


ボクには十分だった。



閉塞していた心を開けば


すぐにこんな世界が姿を見せた。


また


慣れていけるだろうか。



「ぼうや」
「んぁ」

急にサレがボクを抱きしめた。
驚いて変な声が出た。
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