マフィア少女番外編
「今日も雨だねー…」
ぴょん、と跳び跳ねて窓の外を覗くヒロトに、私は苦笑をした。
ここ最近、梅雨入りをしてからは絶え間なく雨が振り続けている。
外で遊ぶこともできずに、少年たちは室内の湿気に耐えていた。
「あーあ、外で遊びたいなー…」
「梅雨が明けたら、いっぱい遊べるよ」
そう、梅雨が明ければ、今度は夏がやってくる。
それが終わると、次は秋。
当たり前のこと。ここ日本では、四季があるのだから。
けれど私は、それを彼らと一緒に見ることは叶わないかもしれない。
いつまで、こんな時間が続いてくれるのだろうか。
彼らと一緒にいられる日々は、それが当たり前となった毎日は、いつ終わってしまうのだろうか。
それを考えると、梅雨明けが少し恐ろしく感じてしまった。
「ねえ、みんなでてるてる坊主作ろうよ。早く雨が止むように」
「あ、賛成」
「俺も!」
でも『もしもの世界』に恐怖していても、何も起こらない。
別れは近い未来かもしれない。けれど、もしかしたら永遠にそんな日は訪れないかもしれない。
だって今はまだ、この幸せの終わりなんて見えていない。
たとえどんなに小さな希望でも。
持っているだけなら許されるでしょう?
だから、どうかお願い。
梅雨が明けて夏が過ぎて、四季が巡っても。
私に、この日々を永遠だと思わせて。
叶わないことくらい、知っているけれど。
季節が梅雨だったんで、ついネタに…
あんまり関係はなかったですけどね!
拍手、ありがとうございました!!