Short&Middle
□黒から青へのグラデーション
2ページ/2ページ
「さ、そろそろお昼の支度しよっかな」
「え、おい」
解いた髪の毛をそのままに離れようとする彼女を、エマヌエルは慌てて引き留める。
「何?」
「何、じゃねーだろ。髪の毛、どーするんだよっ」
「自分で纏めてよ。はい髪ゴム!」
解く前にエマヌエルの髪の毛を束ねていた、深い藍色をした髪ゴムが、無造作にポンと掌に乗せられる。
「でも、下ろしてた方が綺麗よ」
「な」
またしても投下される禁句に切れそうになるエマヌエルを、正面から薄紅に近いような榛色の瞳がヒタと見据える。
「黒と青の綺麗なグラデーションみたいで。実際は違うんだけどね。あたしはこの方が好きよ」
唖然と見返す群青色の瞳に、勝ったとばかりに微笑むと、ヴァルカは今度こそ踵を返した。
彼女がいなくなって静寂の戻ったリビングに、ポツネンと取り残されたエマヌエルが、負け犬の遠吠えよろしく『……覚えてろよ』と呟いた事を、無論ヴァルカは知る由もなかった。
(fin) 初出:不明
企画サイト『深淵(旧ストロベア)』様のお題にて作成。
最後、無理矢理お題に合わせました。
何に対してエマが『覚えてろよ』と言ったのかはご想像にお任せです。いや、ちゃんと考えてありますが、ネタバレに近いのでここでは言いません。
たまたま訪れた企画サイトにてたまたま目にしたこのお題、家のエマのイメージカラーだもんでどうしても見過ごせずに参加させて頂きました。
この後、この二人がくっつくのかどうかは判らない……いや、多分くっつきますが、イチャイチャラブラブシーンは展開に任せて下さい、みたいな。
だって、自分ではどうにも思い付かないと言うか、以前に漆黒の後日談で書いたイチャ甘も、今となっては違和感バリバリで、ある日突然サイトから消えてるかも知れませんのでご了承下さい。
自分で書く分には、友達以上恋人未満ぽく、イチャ甘か否かの紙一重な感じがしっくり来るかも。
読んでる側にはじれったさMAXですが(生殺し?)。
こうなるのはずずずーっと先のお話ですという事で。
読了、有難うございました。
追記:2014.03.06.
ページ数が一ページまでだったので、提出はブログのアドレスからしたのですが、森ブログが閉鎖になってしまった+企画サイト様が今は放置になってしまっているので、申請したけどサイトからは作品に繋がっていません。orz
改行は敢えてそのままにしています。