ぷよぷよ小説
□ある春の日に
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学校から帰路につくアミティ。
いつもは誰かと一緒に帰るのだが今日に限って都合がつかず、結局一人で帰ることになった。
「あの子、動けなくなってる・・・」
今日は春らしいぽかぽか陽気。照りつける太陽の日差しは、暑いとまではいかないが、目に眩しい。
そんな平和な春の一時に、それは起こった。
「助けてあげたいなぁ」
目の前には、理由はわからないが木の枝と枝の間にはさまり動けなくなった鳥の姿があった。
アミティにはこの鳥がまるで泣いているように見えたらしい。アミティ本人の性格もあって、見過ごすことなどできなかったようだ。
この一言が、後に起こる出来事の発端であった。
「うんしょ、うんしょ・・・以外と登りやすいなぁ」
木の表面はざらざらしており滑りにくいために、途中で落ちることはそうそうない。
その為か下を気にせずどんどん上ってしまい、怖くなり下に降りられなくなる――
割り方ありきたりな展開でもある。
特に高所恐怖症だったり、怖がりだったりという人は、そんな経験があるかもしれない。
「いつっ!?」
不覚ながら、木の表面が足に擦れてしまったようだ。
それでもやはり、鳥のことが気になってしまい怪我などお構いなしに上ってゆく。
「よかった〜!これで大丈夫だね!」
枝の間から鳥を救い出す。
幸い怪我はしていなかったので、そのまま放してあげた。
鳥はアミティの手から離れると、雲一つ無い澄み切った空へ飛び立っていった。
その光景はまるで一枚の絵のようだ。鳥が飛び立ったのを見送ると、アミティは木から降りようと下を見やる。
しかし・・・