ぷよぷよ小説
□ある春の日に
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「うわ・・・っ」
高所恐怖症でもないのに、なぜこんなにも怖いのか・・・
それはいつも上る木よりも高い木だったからだろうか。少なくともいつもの木より2、3倍は高いだろう。
しかも、今彼女が居る場所は、そんな高さの木の・・・幹の頂上。
さすがにこの高さからまっさかさまに落ちれば普通の怪我では済まないかもしれない。
心に不安が募る。
「うぐ・・・どうしよう。いつもなら怖くないのに・・・」
その場から動けず、木につかまることしかできない。
普段の彼女からは想像も出来ない光景であった。
「ああもうダメだぁぁぁぁ!!!」
そんな叫びも虚しく空の彼方に消え、辺りには再び静寂が戻る。
しかしながら、そこに聞き覚えのある声が響いた。