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□用事
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「よおレギュラス!」
「……なんか用ですか兄さん」
夕食後、聞き覚えある声に振り返ると、憎いクソ兄貴がヘラヘラしながら立っていた。
「おっしゃー!ひっさびさにスルーされなかった!」
「……なんか用ですかって聞いてんですけど」
睨み付けると、おどけたように両手を挙げた。
「うっわー、こいつ相変わらずキツイぜー」
「誰に向かって話してんですかついに幻覚でも見え始めましたか」
相変わらず糞兄貴はにやついたまま。
「……なんか用ですか?」
いま、僕は「うせろ糞兄貴」といいたいのを必死に我慢している自分自身を褒め称えたい。
ホグワーツ功労賞ものの努力だと思う。
相変わらずにへらにへらしながら糞兄貴は言う。
「いやー、特に用事はねぇんだけど」
「は?」
「いや、だから、特に用事はねぇけど、昨日ジェームズに『最近お前、弟に冷遇されてね?』っていわれたから、確認しようかなーとか思っただけだ」
「……兄さん」
「ん、何だ?」
「一発殴らせてください」
「……だめに決まってんだろーが!」
「仕方ないですね、親族のよしみでアバダ一発で我慢してあげます」
「いやますますひどくなってるし」
〜FIN〜