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□チョコレートに気をつけろ
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「兄さん」

「お、めっずらしーなー、お前から俺に声かけるなんて!もしかして何か相談「これあげます」最後までいわせろよ」

「あまりに的はずれだったものでつい」

「……。で、なんだこれ」

「ただのチョコですよ、この前のホグズミードで買ったんですが、買いすぎてあまりました」

「やけにかわいらしい包装がしてあるのは?」

「あそこの店主がやったことです。なんでかは知りませんけど」

「……ここちょっと開けた跡があるぞ」

「中身を確認しただけです」

「……(疑わしい)」

「なに疑ってんですか?せっかくあげるっていってるのに」

「いや、お前の性格を考えるとなにか仕込んでる気がするもんだからな」

「仕込んでませんよ、僕はなにも」

「……ウソっぽいな」

「ホントですって、僕は何にも仕込んでません。真実薬飲ませてくれてもいいですよ」

「でもな、お前の性格考えるとなぁ……」

「じゃあ、ためしに一口食べればいいじゃないですか。もしそれで毒でも、一口ならすぐに解毒すればたいしたことにはなりません」

「……ほんとかよ」

「ほんとですよ、あなたより僕の方が魔法薬学は成績いいことをお忘れですか」

「……じゃあ一口だけ」

シリウスは包み紙を開けて、用心深くチョコレートを選んだ。

レギュラスはそれをじっと見ている。

しばらくしてシリウスはふっくらとしたチョコレートをひとつ選んで口に含んだ。

相変わらずレギュラスは無表情にそれを見ていた。

シリウスは口の中のチョコレートを2、3回咀嚼して、変な顔をした。

「……なんかこれ、変な味するな」

「やっぱりあなたは馬鹿ですね」

「は?」

「気づかなかったんですか?」

「……何に?」

「それ、





妙薬入りですよ」







「ええ〜〜〜〜〜!!!!????」

「あなた犬の癖に嗅覚悪いんですね。僕でさえ妙薬くさいなって思ったのに」

「おい、どうしてこんなこと……!」

「それ、レイブンクローのハナルブ先輩からもらったんですけど、妙薬が入ってたんで兄さんに差し上げました」

「よりにもよって何でおれ!?」

「あなたしょっちゅう妙薬もらってるから、免疫あるかなって思ったので。……そろそろ薬が効いてくる時間ですね、ぼくはいきます。ぼくに惚れられても困るし」

「おい、ちょっと待てよ!せめてこれ持って帰れ!」

「あ、それ兄さんにあげます」

「いらねぇよ!」

レギュラスはシリウスを無視して踵を返す。

そして角を曲がる前に一度だけ振り返った。

「いい忘れてましたが、くれぐれもブラック家の名折れになるような奴に惚れないでくださいね。あと、むこうからハナルブ先輩が来ますよ」





その後、シリウスは廊下で出会ったレイブンクロー生のアンナ・ハナルブに一時間だけの恋をしたとか。

〜FIN〜

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