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□ハロウィン企画おまけA
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ハロウィン企画 親世代グリフィンドール





「「リーマスーリーマスー」」

「ん、なに」

リーマスの名を呼びながら駆け寄るジェームズとシリウス。

中庭の日の光に反射して、ジェームズのメガネが輝く。

リーマスはチョコレートを口にほおばりつつ駆け寄ってくる二人を眺める。

そして、二人がリーマスの目の前に到着。

「リーマス」

「ん?」

「「トリックオアトリート!」」

バッと示し合わせたかのように息ぴったりに右手を出すジェームズとシリウス。ちなみに打ち合わせはしていない。

リーマスは冷めた眼で二人を見る。

「……何のまねなんだ」

「いや、今日ハロウィンだろ?だからたまには菓子くれねえかなあって」

「あげると思う?」

「……思わないです」

「よくできました。そのとおり、あげないよ」

リーマスは一ミリもほめていない口調でシリウスに告げると、またチョコレートを食べ始める。

そして、呆然と突っ立っているシリウスに向かって、正座して反省してれば、という。

シリウスは素直にそれに従う。

そのとき、今まで黙っていた(最初以外)ジェームズが言う。

「ならさ、悪戯していいよね、リーマス?」

「お、あ、そうだそうだ!お菓子くれなきゃいたずらしていいんだよな!」

急に元気になるシリウス。

正座をときピョコンと立った―――が、足がしびれていたためもう一度座り込まざるを得なくなる。

しかし、ジェームズはそんなシリウスのことを気にも留めずに杖を取り出す。

シリウスも内心『酷いぞ、ジェームズ!』と文句をいいつつ、ジェームズに習って杖をあげる。

リーマスは菓子を食べるのをやめ、不思議そうに二人を見つめる。

「あのね、最近習得したちょっとした悪戯用の呪い―――あ、もちろん解除魔法知ってるからね―――かけてあげるよ。用意はいいかい、パッドフット?」

「……ああ!あれか。よし、いつでもいいぞ、プロングズ」

二人は杖先をぴったりとリーマスに向ける。リーマスは動かない。

ジェームズが大きく息を吸った。

「じゃあ……いくよ、せーの!」

「「デューロウm―――」」

「プロテゴ」

呪文の最中、めんどくさそうにリーマスが言った。

その手には、いつの間にか杖が握られている。

呪詛は最後まで言われず、途中で尻すぼみに消える。

ゆっくりと立ち上がるリーマス。

プロテゴのバリア越しに、リーマスの口角がくいっとあがったのがシリウスとジェームズに見えた。

呪文を最後までいえなかった二人の背中を、冷たい汗が滴り落ちる。

「君たちさあ……」

ニコニコしながらリーマスが言う。

しかし、微笑みかけられているはずなのに二人は動けない。

「自分がなにしたかわかってる?」

杖をあげるリーマス。

その眼は、まったくもって笑っていない。

二人は、自分たちの愚かしさを呪った。





その後、二人がどうなったのかを知るものはいない。二人が語らなかったためだ。

ただ、顔面蒼白前後不覚になった二人が目撃されただけだった。


〜FIN〜

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