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□るーるぷんあ様より
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チュドオオオオ……ン
銃声が、トルバドゥールの中に満ちた。
「ぐはぁ……っ、あ……」
バタッ
案外にあっけなく、クイーンは死んだ。もうちょっと粘るかとおもったんだけど。
動かない、クイーン。
やはり綺麗な顔だ、と妙に冷めた頭で思考する。眠ってるみたいだ。
でも……。いつまでたっても目は一向に開く様子を見せない。やはり。だめだったか。
そろそろ僕もお別れかな。
クイーンが死んだなら、僕もココにいる価値など無くなった。RDにもさよならを言わなくては。
「RD」
[はい……]
「ありがと。」
[え、]
ピッ
奇妙なほどに高い機械音。
これは、データクリアボタンの音。
[あっ……緊急事態発生、緊急事態発生。データクリアをかいししまス、データクリアヲカイシシマス……]
ピー、はかないような電子音とともに沈黙するRD。
さあ、RDも壊れた、博士のとこに送らないと。
もうこれで後悔はしない。大丈夫。でも―――
天国でもまた三人でやっていけるといいな。
ありがとう…ありがとう…。そして……さようなら。
ドォォォォンッ
ドサッ
ジョーカーと拳銃が同時に落ちた。
ジョーカーの目から、一筋の涙が流れた。
「…ありがとう……」
〜FIN〜
→あとがき