ふわりふわり。
□知られたくない計画
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「アンタは必要ない」
「そうかも…雪花は何も出来ないから」
精神世界に来た雪花と話していた。
いつもは荒れた場所であるここは今は綺麗な草原となっている。
温かな日差しがさし、ふんわりと香る紅茶と茶菓子の匂いに誘われて動物も寄ってきている。
「イライラする。前にも言ったでしょアンタには“才能”があるって!」
「人を操るなんて…したくない」
「だったら皆に捨てられるのを待ちな」
「…、それもやだ!」
「はぁ…アンタ脳みそ使ってる?回答を待つだけじゃ進まないよ」
頭使え、とアテネは雪花の頭を小突いた。
あぅ…と一瞬倒れそうになる。
――にしても、雪花は記憶が欠落してるのか自分のことを知らなすぎる。
「…焔のことも」
「ひかり…?」
「アンタだけで授けられた、私にも使えない癒しの炎」
「癒しの炎…?」
「どうするかはアンタ次第。今私が表に出るからアンタはそこにいな!」
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