屑籠
思い付いた話や誕生日ネタや小ネタを(・д・)ノ⌒●ポイッ
何でも詰め込むのでバッチコイ☆な寛大な方のみどうぞ
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◆言葉紡がぬ唇
「…この者が最後でしょうね」
敵ファミリーの殲滅に俺とデイモン。
デイモンが探り、俺が焼き払うという淡々とした作業を続け小一時間がたった頃、ようやく最後の部屋についた。
「…彼女か」
薬品の臭いが強く残る実験室。
そこの中心にポツリと置かれた手術台には若い女がくくりつけられたまま、機械が動き続けている。
傍が近付くとまぶたを震わせ、青い
瞳で俺の姿を捉えた。状況は分かっているのかいないのかぼんやり眺め続けている。
…深い海のような綺麗な蒼。
「何か言い残すことはあるか?」
「………………」
「放っておけば死ぬでしょう。行きますよ」
「ああ…」
デイモンが踵を返す。
俺も行こうかと顔を上げると、視界の端で女が僅かに唇を動かした。もう一度見下ろすと何かを言いたげに薄く口を開いている。
何か言いたいのか?
「プリーモ!行きますよ!」
嗚呼、本当は知っているさ。
彼女は救いを求めようとしている。でもマフィアの娘なら無駄ということも理解しているのだろう。
死にたくない。
でも生き残っても待つのは拷問か恥辱か。人間以下の扱いを受ける末路。
だから彼女もあえて何も言わないんだろうな。
「それじゃあな…」
綺麗な青い瞳は閉ざされた。
唇は何も洩らさぬよう堅く噛み締め、頬にはらりと涙が零れる。
彼女はここで、身動きすらとれず、独りで飢え死ぬのだろう。死んでしまうのだろう。
本当に最後、と俺は振り向く。
唇が小さく動いた。
『Addio mondo (さようなら世界)』
ーー嗚呼、すまないデイモン。
俺には彼女を見捨てられそうにない。
こんなにも心が苦しくなるのだ…
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最近は初代妄想が多い
2012/08/19(Sun) 15:58
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