屑籠


思い付いた話や誕生日ネタや小ネタを(・д・)ノ⌒●ポイッ

何でも詰め込むのでバッチコイ☆な寛大な方のみどうぞ


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◆私は今でも 


『いい子にして待っていてね』
そう言って優しく頭をなでる母親の手が大嫌いだった。

私の両親は共働き。

父さんは海外出張が多く家にいることは少なく、母さんは看護婦だから夜勤や緊急でとても忙しい。小さいときから一人でご飯は当たり前。レンジの使い方はすぐ覚えた。
ドタキャンはよくあること。発表会にも事業参観にも誕生日会もお仕事お仕事。

ごめんね、と昔は謝られた
しょうがないでしょ、と今は怒られる

慣れというのは怖いもので、大切な話とお金のやりとりの一切をホワイトボードで済ますことが普通になっていた。それは可笑しいと指摘されて初めて気付いた。


愕然とした


自分はこんなにも苦しくて悲しくて寂しいのに、言われるまで気付かないなんて心が麻痺してるんだろうか。今じゃ涙が止まらない。心がズキズキするし心臓をきゅっと掴まれたように苦しい。辛い。

『いい子にして待っていてね』
悪い子にしていれば今のようなことにはならなかっただろうか。それとも悪い子は見捨てられただろうか。
私は母さんが好きだからいい子であり続けた。でもこの選択が正しかったかもう分からない


私は今でもいい子のまま
 (伸ばした手は宙をさまよい空を切るのみ)


***
なんでもないもの

2012/09/16(Sun) 18:15

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