二次番外・短編集

□泣き虫嘘つき
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見たくなかったから、目を背けたかったのに。


真実だって、知りたくなかった。











泣き虫嘘つき











薄々感づいてはいた。

あまりにも似すぎていた。

似すぎていたから解っていた。

彼が何をしたいのか。


わからないのは“こうなった理由”だ。

泣きたかった。甘えたかった。抱き付きたかった。

あなたの小さい肩に。
幼い体を。
全てを受け止めたかった。

けど、この関係を崩したくなかったんだ。

でも、簡単に崩れた。


「………………ねえ、新一――――――っ!!」

「――!!!!」


滑らした一言。

コナンも感付いていたのか、しっかりと蘭を見た。


「―――………気付いてたよ。解るよ。
新一はそばにいてくれたって。
……………泣いてくれてたって。」

私は開き直っていた。


「…………、」


「けどね………言えなかった。」


「……………………………蘭」


「関係………を崩したくなかった………
………認めたくなかったの………この事を………」


「蘭…!!」


「私にだって………



認めたくないことだってあるんだよ?



………新一。」


私の目には涙が浮かんでいた筈だ。








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