二次番外・短編集

□Fork Dance
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《プログラム23番……三年生全員によるフォークダンスです……》

「おい、本番始まるぜ!!」
「何で……二人共居ないのよ!!」
何でこんな事になっているのか……
事の発端は数十分前の事だった。





















Fork Dance






















「…………」
「何を真面目に考えてるの?」
何かを真面目に考えていた、高校二年に行方不明になり、高校三年に高校に復帰した高校生探偵の工藤新一に、空手部主将で空手都大会覇者の毛利蘭が聞いた。頭脳派と肉体派と言う両極な二人は、新一が高校復帰後に付き合い始めた、付き合い始めて短い二人だった。と言っても二人は幼馴染みで、お互いの事は知り尽くしているのだが。
「あ……いや……」
新一は適当に受け流そうとした。しかし、蘭は食い下がる。
「嘘ばっかり……また嘘をついて、私を泣かせる気!?」
新一は最近まで高校ではなく、小学校に通っていたのだ。少女趣味な訳でもない。体を縮まされ、小学生の“江戸川コナン”として生きざるを終えなかったのだ。蘭にばらしたときは泣かれ、“コナン”の時にしたことを思い出され殴られた。
「いや、そう言うわけじゃ……」
新一はそれを思いだし、顔を青ざめた。
「嘘おっしゃい!!」
ゴガンッ
蘭は躊躇無く、新一が凭れていた木を殴った。
「ひっ」
新一が頭を下げた瞬間、新一の頭のあった辺りにヒビが出来た。しかも、軽く拳大に陥没していた。
「……さすが空手部女主将……」
「元よ、元!!帝丹は高校三年には部活引退だから……」
蘭が“元空手部女主将”であることを主張した。どうも、そう言われるのが嫌らしい。
「で、何を考えていたの?」
「下らないことだよ……」
新一がそう言った。
「下らないこと?」
蘭は首をかしげた。蘭には新一が何に悩んでいるかが解らなかったのだ。
「……………蘭。」
「へ?」
「ちょっと付き合え。」
新一は強引に蘭の手を引っ張った。蘭はそれに従うようにバランスを崩しながらも引っ張られていった。



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