二次番外・短編集

□十年前からの贈り物
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ゴールデンウイークの初日のまっ昼間。
双子並みにそっくりな高校生は家でぐうたらしていた…………。
「なあ、快斗……」
新一がマジック関係の本を呼んでいる快斗に聞いた。
「何だよ?」
「お前、父さんに暗号とか作って貰った事あるのかよ?」
「……ほとんどねえな。色々と飛び回ってたからな……」
快斗はしみじみと言った。
「なら、俺経由で父さんに送られた、お前の父さん作の暗号……解いてみないか?」
新一が興味深そうに聞いた。
「え?」
まさか新一が知っているなんて知らなかった。
父さんが残した暗号…………解いてみたい。
「これは俺が小学校一年の時に、解いた暗号だよ………」
新一は手帳に記しだした。














「“ハイドの怒りを鎮めよ”…か…」
「難しいか?」
新一の余裕みたいな態度に快斗は必死に考えだした。「怒りを鎮めよ……まさか……怒りは碇で、鎮めよは沈めよか?」
快斗が手を叩いて言った。
「場所は?」
新一が聞いた。
「もちろん、杯戸港だろ?」
「んじゃ行こうぜ。」
新一が立ち上がった。
「は?」
快斗が度肝を抜かれた。
「…………意外か?」
新一が振り向いた。
「いや……此処で聞いて解いた方が良いんじゃないのかと……」
「お前の父さんが餓鬼の俺等が動くことも想定した暗号だ。本当の餓鬼だった俺がやったようにしたくないのか?」
「説得力がない……」
快斗が呟いた。
「動いた方が運動になるしよ……」
「俺等はジジイか。」
快斗が静かに突っ込んだ。
そのまま成すがままに新一と快斗は杯戸港に行った。



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