二次番外・短編集

□待ってて
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「ただいまー」
俺が事務所を覗いても、イビキをたてるおっちゃんしかいなかったし……ここにいると思ったんだが……
なら、家の方か?


「蘭姉ちゃーん……」
てか、テスト勉強しなくて良いのか?

そう思って蘭の部屋までいくと、蘭が壁にもたれて寝ていた。
手には携帯を持ったままで、潤んだ目元には涙の後が残る。
俺は蘭の頭を撫でた。


「……ごめんな。」
口からこぼれた、本音。
蘭は、起きていないみたいで。


「かっこいいこと言えないけど、絶対帰るから、蘭の隣に。」
いつになるか解らない。
いつ組織を潰せるか解らない。
いつ元に戻れるか解らない。


「返事聞きに帰るから。」
お前を残して、逝きはしないから。
お前の笑顔を見たいから。


「だから、心配かけるけど、待ってて。」
そうとしか言えない俺が一番もどかしい。
そばで笑ってやりたいよ。
手を繋いでやりたいよ。
―――隣で笑い合いてぇよ。

だから、だからそれまで―――





































ごめん、蘭。
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