あきらめない
□参
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「涼風ちゃーん!!遊ぼう!!」
『うん!!』
リクオの呼び出しに涼風は庭に飛び出した。裸足で。
白い着流しに無造作に垂れ下がっている髪の毛に裸足。
端から見れば幽霊だ。
捨てられたときに着ていた服は大人物のTシャツだったし、汚れていたので捨てられたのだ。
涼風の靴もない。
「どうすんのか?」
『へ?』
「服だよ。服。
着物なら貸せるが、外に出るときは流石に洋服の方が良いだろ?」
鯉伴の言葉に涼風は目を点にした。
『……でも、お金無いし……』
「行こう!!」
リクオは渋る涼風の手を取り、引っ張った。
『解ったよ……』
涼風は折れたのだった。
『あと……買うんだったら、タンクトップに短パンに靴に靴下にサンダルに下着に髪止めとポーチも買ってもらえますか?』
「………さっきのは早口言葉か?」
涼風がサラッと言った言葉に鯉伴は思わず聞き返した。
『え?いや……買いたいものですが……』
「えっと……タンクトップと短パンと靴と下着に…………何だったか?」
『タンクトップ、短パン、靴、靴下、サンダル、下着、髪止め、ポーチの計八個です。』
涼風は指を折りながら言った。
「すごい沢山だな……遠慮っつーものを知らねーのか。」
鯉伴はため息をついた。
『何で下着は聞いてるのに、その間が抜けてるんですか?』
「………」
『あ゛っ!!スルーした!!』
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