あきらめない

□陸
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『……ありがとうございました。もう大丈夫です。』
「なら、質問を続けるぞ?」
『あ、はい。』
まだ、質問あったのね。


「涼風さんはこれから起こる事も分かるのかい?」
そこに戻るのか。
まとめて質問すれば良いのに。


『まあ……はい。
その作品に書いてある範囲のものなら……
あと、その作品には私が……つまり“彼女”はいませんでした。なので、どこかでイレギュラーが起こっているかもしれません。
そこまではわからないです。』
「成る程のぉ……
じゃぁ、鯉伴を殺した奴は……」
親なら知りたいよね。そこ。
話せば長くなるけど……原作で知り得ているであろう範囲にしとくか。
変わるの嫌だし。


『……羽衣狐です。
幼女の体に転生した羽衣狐が……鯉伴さんの体を……刀で貫いて……』
「……分かった。」
わかったのかよ。
悔しさが滲んで、直ぐにでも行きそうだよ?


『まだ行かないで下さい。
力が……強いですから。』
あなたを無くすわけには行かない。


『リクオを一人にする気ですか?
情緒不安定なこの時期に……ですか?
あなたが怪我でも負って帰ってきたら、リクオがどうなるか私も分かりませんよ?』
「……そうじゃな。もうすぐで行きそうだった。ありがとよ。」
良かった。留まってくれた。


『じゃあ、これからも――――』
「敬語は無しじゃ。」
『………………………は?』
いやいやいやいや!!
敬語無しって!!
私だってしたくて敬語じゃなくて、雰囲気が敬語って雰囲気なの!!
(どんな雰囲気だ。)
自然に敬語になっちゃうから……


『無理です。』
提案、一刀両断。
……そうする私も結構な大物な気がしてきたよ。


「それじゃ、リクオの許ず――」
『敬語無しでいいんでしょ!!』
いや、リクオの許嫁って!!
本人の意見は!?無視!?しそうだけど!!
……それは勘弁。













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