てきすと
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木下ハルカは一方的に切られた携帯を制服のポケットに滑り込まして
あっちゃんの向かった精肉コーナーへと走った
いらいらする
「ハルカどっちか聞いたか?」
追いつきあっちゃんの持った買い物籠の中を覗くと
しっかり合いびき肉が収められていた
膨れっ面であっちゃんの質問をスルーしてやる
すると無言であっちゃんの大きな手がハルカのやわらかい
シルバーアッシュの髪を混ぜ返してきた
絶対アノ嫌な笑を浮かべてるんだ
いらいらしながらあっちゃんの手を払いのける
「上に乗っけんの卵?チーズ?どっちって言ってた?」
視線を上げると案の定嫌な笑みを浮かべて
さらにうざい質問まで重ねてきやがった
だから、卵!とそっぽ向いて答えてやると
あっちゃんは盛大に噴出した
「ソレはハルカの好みだろ?」
「ええそうですけど?ソレが何か?」
更にツンと明後日の方を向く
あっちゃんはきっと肩を震わして笑ってるんだ
笑い声が更にイラつかせる
コレでハンバーグにのっているのがチーズだったら
きっと自分はショックを受けてしまいそうだ
「俺・・・・境界センター街に行って来る」
あっちゃんと一緒にいても楽しくなさそうなので
早々に退散を決め込んだハルカは
ついにくるりとあっちゃんに完璧に背を向けてしまった
そんなハルカの心情に気づいているのかいないのか
まだアノ嫌な笑みを浮かべたまま7時に御飯だからソレまでに帰って来いよとハルカを送り出した
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