てきすと

□出会いました☆ 不良x平凡
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奴の名前は、八代 葵(ヤシロアオイ)
俺と一緒の高校一年生だ


奴は古風にも、俺の下駄箱に手紙を入れ放課学校の屋上へと呼び出した


そして今、真っ赤な夕日を背にして俺を待ち構えている


なぁ、チャ子(飼い猫)
聞いてくれ。


あいつさ
この学校で一番強い不良なんだってさ

 
屋上へ入るための扉を薄く開けた俺は
生まれたての小鹿のように足を震わせながら奴を観察していた。

なぜ入らないかって?聞くまでも無いでしょ
不良を待たしてんだよ


どうすんのコレ・扉開いた瞬間死亡フラグがたつよ?


くしゃくしゃに握りこんでいた手紙を開いてみる。
きれいとも汚いともいえない普通の字で書かれた


放課後屋上へ来い・の一文。


要件まで書こうよ 本気で!



・・

待ってるよ不良

でもこの扉を開く事は、俺にはできない


だって俺、

チキンだし

・・・・・・


逃げちゃう?

・・・・・・

いやいや!そんなことしたら、明日からどうすんのよ!!!


頑張れ俺!扉を開けるんだ!

明日の自分のために!

きっとアレだよ、アレ、なんか人前でいえない話

何かな!最強不良が平凡地味男にする相談事は


・・・・・・いや ないか・・・・


やっぱアッチかな?

しかないよね

リンチとかカツアゲとかリンチとかカツアゲとかか?

あ 2回言っちゃったよ。



キィ



ぐだぐた考え事をしながら、手紙を見るため目を離した扉の方から
金属がすれる音がする。



・・・ホラー映画で悲鳴を上げていた
   アノ頃がなつかしい・・・



隙間から見える魔王


俺は走った。

本能のままに走って逃げた。


階段なんか二段飛ばしだ


気分はランナー
俺は風



そうして走り抜けると
なんて事でしょう。



階段踊り場には不良の群れが・・・・


車は急には止まれない。
そんな言葉が脳をかすめると同時に
俺は、不良の群れへと突っ込んだ。





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