てきすと

□東高校VS南高校☆
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東高校から駅まで徒歩10分
そこから電車で3駅
駅から徒歩5分で俺ん家

よく覚えていないけど、たぶんそのルートで帰ってきた。


どんだけ混乱していても帰ってきたんだから問題ない

問題は、ココからだ

肩で息をしながらマンションのエントランス前に設置された
暗証番号を打ち込む文字盤の前で、俺は途方にくれる


人間はパニクルと本当に脳内回路が停止するんだ

どうしよう・本気で思い出せない

毎日打ち込んでるじゃん!頑張れ俺の脳みそ!
今日両親はデート!
夜中までここでさびしく待つの?
俺かわいそう!!
そんなの嫌だ!
今頼れるのは、俺の脳みそしかないんだ!!!!
頑張ってくれ!!



「うん、事情は分かったしー。俺と一緒に入っていいよー」
振り返るとにっこり笑った誰かがいた



いや本当に誰?



ナチュラルに俺の思考とリンクさせて会話してきたこのチャラい系ヤンキー知らない人なんですけど・・・・


「独り言大きすぎー 超うけるんですけどー」

ニヤリと大きな口で笑みをつくりカチカチカチと暗証番号を打ち込み

どうぞーとエントランスを指した




おかしいな なんでだろう

すごく親切でフレンドリーなチャラ系ヤンキー


なのになんでだろう 今日あった不良の中で一番怖い


ちっちゃな声でお礼を言って彼の横をすばやくすり抜ける ドキドキと心臓が鳴った

そっと振り返るとバチッと目が合った

つり眉たれ目ににっこりと笑った口元

きれいなシルバーアッシュの髪が彼を余計チャラく見せる



とてもきれいな人



でもこの人目が笑ってない
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