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□変化する心2
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[第二話 約束]

今日の試験教科は数学、生物、英語、政経だ。ちなみに明日は現代文、古典、日本史または世界史。


「うぅ…初日終了アル〜」

「どうだったァ?」

「燃え尽きたアル。でも解答欄は一応全部埋めれたから赤点ではないと思うネ。お前は…聞くまでもないアルな」

「まァな。こんなもん朝飯前だ」




初日のテストが終わって、帰る者や明日の教科に備えて教室で勉強する者がいる中、神楽と高杉はテストが終わった途端一目散に屋上へ向かった。



「昼飯、どっか食べに行くかァ?」


「行く!と言いたいところアルけど、沖田と明日の勉強する約束してるネ。明日ならいいヨ」


「んじゃ、明日な」


「キャッホーーイ!晋助と外食なんて久しぶりで楽しみアルーー!」


嬉しそうに言う神楽にフッと笑みを浮かべる高杉。



2人は屋上の日陰で目を閉じながら寝転んで会話をする。少し気を抜けばすぐに眠りの世界に入ってしまいそうなほど心地良い。



「Z〜…Z〜」


どうやら若干一名すでに眠りの世界に入ってしまったようだ。



高杉は神楽の寝顔を眺めてフッと笑った。そして、神楽の頬っぺに手を延ばす。



「Z〜…ふゅっ…ぅあ?あれ?寝てしまってたアル」



高杉に頬を抓られたことによって目を覚ました神楽。目を擦ってキョロキョロと周囲を見渡す。



「勉強しなくていいのかァ?」


「はっ!沖田との約束!!じゃあまた明日ネ晋助!」

「あァじゃあな」










「チャイナ、お前ちゃんと勉強したらそこそこなんだな」


「そこそこって何ヨ!」


「そこそこはそこそこでィ。C組までは及ばねェけど、Z組では一番取れんじゃねェか?」



沖田が神楽の手元を覗き込むながら古典の出来具合をチェックする。



「一番は無理ヨ。うちのクラスには高杉晋助っていうA組並の頭脳の持ち主がいるネ。あと、柳生九兵衛っていう子も頭良いネ」




ーーー高杉晋助…。




銀魂高校では知らない者はいない。頭脳、運動神経、そしてルックスは沖田と並ぶものを持っている。しかし、素行の悪さからZ組にいるという変わり者。

そしてあの事件のとき…



《ずいぶんと情けねェツラしてんなァ。んな顔してんじゃねェよ。お前、それでも俺の右腕かァ?》


《誰が、っお前の右腕アルか…バカッ》





明らかに神楽と高杉はクラスメイトというだけの関係ではないように感じられた。





「おーい沖田ぁ?」

「っ!?な、なんでィ」

「それはこっちの台詞アル。いきなり固まるからびっくりしたネ」




終わったアルと言って神楽は伸びをする。沖田は神楽の手元を覗き込んだ。



「まぁ赤点は回避できんな」


「やったーー!!明日頑張ればテスト終わりネ。夏休み真っしぐらヨ」


「チャイナ、明日テストが終わったら一緒に飯食いに行かねェ?」


「まじでか!?食うアル!!」




沖田からのお誘いに嬉しくなって、高杉との約束をすっかり忘れてしまっていた。











翌日。




「終わったアルーーーー!!」


「お疲れ」


「お疲れさんアル。あ!聞いてヨ!」



神楽は嬉しそうに高杉の肩に手を置いて寄りかかる。鬱陶しそうにしながらも苦笑いして話を聞く態勢に入る高杉。




「沖田に昼飯誘われたアル!」


「……………」

幸せそうに笑う神楽。朝ご飯と夜ご飯は当たり前のように家で一緒に食べるが、2人で外食というのは初めてだ。


デートみたいアル!とはしゃぐ神楽とは裏腹に高杉は何とも言えないような顔をしていた。




神楽はそんな高杉に気づかないで、じゃーネと言って教室を出て行ってしまった。



「………」



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