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□神楽と真兄ちゃん
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「あ、そういえばバスケ部の一軍に、なんかモデルが入ったってまじアルか?」
唐突な神楽の質問に、真太郎はコーヒーカップを口から離す。そして、渋い顔をして頷いた。
「なぜお前が知ってるのだよ」
「私だけが知ってるんじゃないネ。学校中ですっごく噂になってるアル。モデルの…………名前忘れた。…その人がバスケしてるからバスケ部見に行きたいってクラスの子達も騒いでたヨ」
「黄瀬涼太だろ」
「あーそうそう。そんな感じの名前ネ」
適当な神楽にハァーと思わず溜め息を洩らしてしまった。
「今黒子があいつの教育係をしているが、随分生意気な奴なのだよ。黒子の能力を理解してない」
「んなッ!!テツヤ先輩に失礼な態度取ってるってことアルか!!まじかヨ。今度見掛けたらぶっ飛ばしてやるアル!!」
黒子のことがお気に入りな神楽は、黄瀬をぶっ飛ばそうと心に決めたようだが、たぶん神楽は彼の顔を知らない。どうやってぶっ飛ばすつもりなのだろうか。真太郎は呆れた目を神楽に向ける。
「あ〜なんかムカついたらお腹空いてきたアル。どっか食べに行くアルか?」
「そうだな」
料理が苦手な兄妹なので、事前に両親から食事代はちゃんと貰っていた。
出掛ける準備をし、家の鍵を締めて近くのファミリーレストランへと歩く。もちろん真太郎のラッキーアイテムも片手にある。
数十分して、漸く到着した。カランコロンと鳴るドアを押して中に入ると、店員さんがサッと駆け付けて2人を席に案内した。
「何食べよっかナ〜」
メニュー表を見て既に涎を垂らす神楽。そんな様子を真太郎は呆れたように見つめた。
「俺はハンバーグにするのだよ」
「すいまっせーん!ハンバーグ1個とこれとこれとこれとこれとこれとこれとこれをくださいヨ〜」
「えっ、あ、は、はい。かしこまりました」
神楽の注文の多さにびっくりした店員。しかし、これが神楽の普段食べる量なのだ。むしろ、今日は少ないぐらいだ。
暫くすると、神楽が注文したものがどんどんテーブルに運ばれてきた。神楽は目を輝かせて料理に飛びつく。
「ひゃぁぁ美味いアル!」
「よっかったな。それにしても、俺のハンバーグはまだか」
神楽が料理をかっ食らうのを横目に、真太郎は店内を見渡した。すると、一人の店員がハンバーグを手に此方へとやって来た。
「お待たせしまたした。ハンバーグです」
「ありがとうございます」
漸く自分のハンバーグが来て、満足する真太郎。
「美味しそうアルな〜」
「一口食べてみるか?」
「いいアルか!!」
神楽はハンバーグを少しだけ貰い、口に持って行った。
「ハンバーグも美味いネ」
「確かに、美味いのだよ」
料理を存分に味わった2人は、数十分後に全てを食べ終えて、今から帰路につくところだ。
「美味かったアル〜」
「そうだな」
「なんか真兄ちゃんと2人きりでご飯とか久しぶりじゃネ!?」
「そうか?まぁ、たまには悪くないのだよ」
普段言わないような兄の台詞にクスリと笑った神楽であった。
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「あ、ミドチン兄妹だ〜」
「むっくん先輩アル!」
「おはようなのだよ。紫原」
「ん、おはよ〜。そういえば、この前電話した時ミドチントイレに籠ってうんこしてたんでしょ〜」
「な、な、な、、、。神楽!言ってたことと違うのだよ」
「意外とむっくん先輩もそういうこと言うアルな〜。新たな発見ネ」
「何呑気なこと言ってるのだよ神楽ァァ!」
*end*