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□帰ろう
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真面目な社会人ならせっせと働いているような時間帯。今日も万事屋では、ダラダラと過ごしている人物が2人。駄目な眼鏡はいつものように、主婦のごとく掃除洗濯を頑張っている。
「もぉ、銀さんも神楽ちゃんも暇なら仕事探してきて下さいよ」
「俺今ジャンプ読むのに忙しいから」
「私今ドラマの再放送見るのに忙しいネ」
適当な言い訳を口にする2人に新八の怒りは爆発寸前にまで達する。もう我慢ならない。文句を言ってやろう。と口を開こうとしたところで、滅多に鳴らない万事屋のインターフォンが鳴った。
「新八出て〜」
「眼鏡の出番アルヨ」
「分かってますよ!!」
手に持っていたはたきを放り投げて、玄関へと向かう。
「はい、どちら様ですか?」
扉をガラガラと開けると、そこには中々顔の整った男の人と幼さが残るものの美人と言っても過言ではない顔立ちをした女の人が立って居た。
「あの、依頼したいんですけど」
男の人がそう言った途端、新八の顔色が変わった。
「ど、どうぞ中へお入り下さい!!銀さーん!神楽ちゃーん!依頼ですよ!!」
客を中へ通しながら居間に向かってそう叫ぶ新八。居間からは、ガサゴソと片付ける音やTVの電源を切る音が聞こえた。
「どうもどうもいらっしゃい」
「腰掛けて下さいネ」
客(金蔓)が来た途端に態度を一変させる銀時と神楽に新八は苦笑いを浮かべてお茶を出す。
客がソファ座ったのを確認して、銀時を真ん中にして両側に神楽と新八も腰掛ける。
「あの早速依頼内容なんですが…」
今回の依頼人の名は笹川竜一(ささがわ りゅういち)。そして、女の人はその妹一華(いちか)といった。
「俺が仕事で京都に行くんで、その間一華を預かって欲しいんです
。親を早くに亡くしていて、親戚もいないんで身寄りがないんです」
「お願いします」
深々と頭を下げる2人。
「勿論!この万事屋にお任せするアル!大歓迎ヨ」
「最近は女の子1人でなんて物騒ですからね」
乗り気な神楽と新八に対して銀時は眉根を寄せてうーんと唸っている。
(ちょっと、何唸ってんですか銀さん!)
(そうアルヨ)
(いや、でもさ…一華さん17歳だっけ?やばくね!?俺と住むとか犯罪じゃね!?)
(何言ってるアルか!キモい!まじ死んで)
(ちょ神楽ちゃあん!!標準語やめてェェェ!!)
(2人きりになるわけじゃないですから。神楽ちゃんもいるじゃないですか!)
(あ、そっか)
コソコソ話していた万事屋一同はゴホンと咳払いをする。
「えーと、じゃあお金の方は…」
「後払いでいいですか?京都の仕事で結構稼げる予定ですから」
「じゃあ後払いっつーことで。よろしくな、一華」
「よろしくアル」
ということで、竜一が京都から帰ってくるまでの約一ヶ月ほど、一華が万事屋のメンバーに加わることとなった。
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