助けながら踊る
□特に
1ページ/5ページ
「何よ!!あんた、私の依頼が聞けないって?」
「あ、当たり前だろ?理由がくだらねーんだよ!!
んなもん…一人で探せよ」
「は?あんた、なんの為にこの部活があるのよ!!」
先程から始まっている争い。部室で起こっているそれは、ヒメコとスイッチには邪魔にしか思えなかった。
その争いの理由は、つい数分前の事だった。
特に意味はない
争いの原因を持ち込んだ名前は、急に部室に来て、ノックもせずに扉を開いて、そそくさと中に入り、また喧嘩を売りに来たと思っていたら、突然真剣な顔で話す。
「今回は、依頼があるんだよ」
「ん?何だー?」
ボッスンはそれを驚く訳でもなく、鼻に指を突っ込んで、名前を興味なさそうに見る。
「実は、大切な物を無くしてしまって…」
「はは!どうせ、無くしたんじゃなく、捨てんだろ?」
「ち、違う!すごく大切なんだ!簡単に捨てる訳ないわ!」
「なんなら、何だよ?その大切な物って」
「じ、実は…」
名前は赤面しながら、自分の指と指くっつけて、顔を下げる。ボッスンは先が気になって待ってみるも、一向に名前は言わず、不機嫌そうに言う。