助けながら踊る
□助ける君
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助ける君
今は学校で、ちょうど移動教室で移動するところ。その移動中に、私はいろいろ考えていた。
新学期になって、やっと今のクラスに落ち着くところだが、私はなかなか皆と話せず、違う学校に行ってしまった友達との喧嘩、バイトでの失敗。
一人でとぼとぼ歩きながら、最近の出来事を思い出し溜め息を吐く。
(全部、私が悪いのに……)
それはそうだ。
新しい人達と一緒になろうとも、自分から話す事さえ出来れば、すぐにクラスに慣れるのに…私にはその勇気は無い。
折角、昨年度は頑張ったのに、自分の苦労が水の泡になっている気がするが、今年も頑張ればいい。そう思うも、私的には結構きつい。
それに友達とは、お互いの趣味が変わってしまい、電話で言い争ってしまったのだが、もし自分が友達の趣味を否定しなければ、何も起こらなかった筈だ。
最後に、最近始めたバイトの事。
初めての事に、あまり慣れなくて失敗ばかりをしている。早く自分が慣れればいいもの、分かっていても慣れない。
やはり、自分のせいだ。
そう思いながら、階段のところで一段下りようとしたら、変なところに足を置いたのか、躓いて突然の事に何も出来ずに、そのまま身を任せて落ちる。
(もう駄目だ。)
そううっすら思って、目を閉じると誰かの叫び声と温もりを感じて、目を開けると隣のクラスの藤崎君が、心配そうに大声を出す。
「大丈夫か!?名前さん!!」
「ああ…また…私のせいで…」
申し訳ない気持ちと、情けない気持ちと、罪悪感が襲って来て、意識がブツリと音を立てるように失う。