助けながら踊る
□悲しみはごみ箱へ
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急にした音で振り返った。
そこには、私の背中を押してくれた人、藤崎佑助君がいた。
「見てたよ、全部…
手助けするって言ったのに…すまないな…」
藤崎君は何故か、とても辛そうに俯いていた。
いつもなら、笑顔で励ますのに…
「力になれなかった…」
「い、いえ、決心、を付けさ、せて、いただきました」
「でも!」
藤崎君は急に声を荒げ、私はそれに驚いてびくっと跳ね上がった。
「でも、俺は見ていた…君が一生懸命に、この教室で、その机で」
藤崎君は言いながら近付いてき、私が座っている前にある机を指した。
「あの手紙を書いてたのを、俺は見てた。たくさん悩んで、たくさん便箋を捨ててたの、俺は見てた」
「ふ、藤崎、君、ど、して」
私はふと疑問に思っていた事を、聞いてしまった。
「それは、名前ちゃんが好きだから!」
「な、何を」
「昨年から同じクラスで、昨年はずっと隣の席だったから…ずっと好きだったんだよ」
私の言葉を遮って、まだ続ける。しかしそれは、不思議と嫌ではなかった。