助けながら踊る

□悲しみはごみ箱へ
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「微妙に髪を切った時も、風邪を引いてたのに学校に来ていた時も、腹痛を起こして我慢をしていた時も…」

最後のやつ、若干気付いてないですよ、藤崎君。

「あの隣のクラスの野郎に惚れてた時も気付いてた…」

「だか、ら、嫌がってたのですね」

「ああ」

最初、この相談を持ち掛けた時、彼は「ヒメに聞いとけ」と言い、ものすごく嫌な顔をされた。が、暫くしてはっと我に帰ったようになって、あれやこれといつもの笑顔で私を励まし、背中を押した。

「好きだったもん。俺のが好きだったんだもん…」

急にシュンとなり、床に体育座りをして、のの字を書きはじめた。

「好き、ずっと好き。俺、あの野郎があれを見て、捨て去った時さ…拾ったんだよ。手紙」

「え?」

それはかなり驚く事だった。
もう捨てられ、今頃燃やされていると考えていたからだ。

「イラつくんだよ。好きな人の想いを、無駄にされるの…」

そして、暫く沈黙が訪れる。それは私から思い浮かぶ言葉はなく、藤崎君も黙ってしまったから。
暫くして、何かを決心した藤崎君が、私を直視して言う。
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