助けながら踊る

□双子が
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 妙な違和感を稀に感じる。例えばだ、昼ご飯の時とかやら体育の時とかやら、生徒会の部屋を通る時やらだ。
 全く噂話を信じる訳ないが、本当はあの二人は双子なんじゃないかな?とか思うようになった。

「名前」

 椿君の見た目だけど、睫毛が彼とは違うし若干髪の毛がボサボサしている。これは長年一緒に居たので、こいつの顔は分かる。

「誰も居ないんだ。いいだろ?」

 焦っているのか汗が噴き出しており、椿君よりちょっと高い声で話している。両肩を抑えられ、顔を近付けてくる。

「ねえ」

 一言かけると、その人は顔を強張らせて肩を掴む手が強くなった。

「な、な、なんだ」

 この戸惑い方、うろたえると目が潤んで助けたくなる表情。肩を掴んでいる指先が震えている。

「な、なに言ってるんだ名前」

 今にも泣きそうに目を潤ませている。
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