純文学系読み物
□嫌いな私、好きなあなた
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『将来はなにになりたい?』
『これからどんな道に進むたい?』
『進路は?』
『就職か。進学か?』
何度、そういった質問を掛けられただろうか。
だれでも、経験している。
幼少や、学生時代から問いかけられる身の周りのありとあらゆる人々から。
ときには文章で示したり、さらに人前で発表することすら求められる。
そのたびに私はうんざりと想像しなくてはならない。
スーツを着ている大人な自分、黒髪に清潔なメイクをして、フレッシュマンスーツに身を包んで書類ファイル片手に、丸の内辺りを駆け回る。そんな自分。
……ないなーw(笑)
私は、白紙で提出したり、2,3行で済ませ子供のような言葉を記号やハートマークで可愛く彩ることに力を注いだ。
あまりに実感のない未来に失笑する。
「つーかさ、将来の夢がなきゃ生きてちゃいけないワケ?」
スカートを限界まで短くし、髪を透けるほど金髪にした私の問いに愛想笑いを浮かべた周囲の人間が首を振る。
「じゃあ。いちいち聞くんじゃねぇよ。」
なんだその口の利き方は!、と憤慨するのは良いほうで、親切そうに何か不満でもあるのか?とか、カウンセラー気取りされるのはイライラする。
「うざい」
なんでこうも、人は人に対し要求するのだろうか。
『学生は学生らしく』こうあるべき。
他人の理想にはまったものは褒められ、賞賛され、可愛がられる。
学生だから、当たり前にルールを守るんだよと、分かって、素直にきけるのは悩みのない簡単な人間だ。
そう思ってバカにしていた。
不良と呼ばれるものに身を包み、なにを主張したいのかも分からず反抗する。
そんな自分は周りにはとってもゆがんで写っているんだろう。
ただ、素直に聞きたくないだけだ。
かっこいい、可愛い、私に似合う。
なんで、どうでもいい人たちに気を使う必要がある??
くだらない他人の評価なんてどうでもいい。
”自分らしくありたい”
今思えば、なんて、いい加減な言葉だ。
自分を守れない人間が見た目の格好をつけて”自己防衛”しているのになにが”自分らしく”だ。
ガッコウを離れ、俗にいうフリーター、何をやっても3ヶ月と続かない、大人になりきれない自分らしい『今』になって思う。
学生はこうあればいい。
試験勉強をがんばれ。
スポーツを頑張れ。競争しろ、一番を目指せ!
その先に何があるかなんて見えないし、点数を付けられるのが嫌だった。
比べられる、どちらかが褒められるけなされる。
私は圧倒的に勝ち目のない戦いをあきらめ、ひねていたにすぎない。
ただ、努力して人より優れることが、自分の能力を磨くためであって。
自分の価値や、魅力、自信、可能性、未来の自分の為になるものだと知っていたら素直にその競争に向き合えたかもしれない・・・。
負け犬の遠吠え(笑)
いまさらだが、夢を聞いてきた大人たちが愛想笑いの奥に、「将来は苦労するゾ」とゆう言葉を隠していただろう事に気づく。
つぅかさ、もっと説得してくれよ!!
いい大学でても就職難だとか、んなことゆって笑ってたけどさ。
学校もろくに行かないで遊びほうけて、別のナニカなんて考えてもいないヤツがどうなるかなんて、だいたい想像できるじゃないか!
みんながみんな、ダメになるとは言い切れないけれども・・・圧倒的に不利だ。その後の生活は。
さらにほえ続けてみる(笑)
『美しさは金になる
恋愛は金になる』
試験勉強やスポーツなんか一生懸命がんばるより、よっぽど分かりやすい。
仕方ない私は、いい男捕まえて、生活しよう位にしか考えつかなかった。能力も根気も持っていないから。
10代、20代前半は容姿だけを磨いていてればよかった。
可愛げと、愛想さえあれば、キャバクラなんて仕事は単純。
指名されたり、お酒をたくさん飲んでお金使わせれば、お金の発生する仕事だった。
給料の高さが仕事の報酬
接客業だし、すごいストレスもある。
可愛がられることになれて、見た目や中身どちらかが可愛い女じゃないと勤まらない。
『美しさは金になる
恋愛は金になる』