イズミズデイズ★

□春 *izumi*
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「孝介って高校どこだっけ?」
「西浦」

今日は中学の奴らと打ち上げ。
みんなやっぱり、進路先について気になるらしく、話題の8割は高校の話。

「高校では彼女できっかなぁ〜」
仲間の1人がつぶやく。
「佑樹ならすぐできんだろ」
そう言った俺に向かって佑樹はニヤリと言った。
「孝介は?」
「孝介の妄想かなりすごかったよなwww」

俺…
そんなにすごい妄想してんのかな…
「そりゃできればいいけどさぁ」
「西浦って修学旅行で海の近く行くっけ?」
「ばっ、そんなんで決めたんじゃねぇよっ!!」

俺は昔からからかわれるのが苦手だ…
だからどっちかって言うとからかう側に回るんだけど、みんないわく俺の妄想はおもしろいらしく…

「自由時間に海で水中エッ」
「やめろっっっ!!」
「アハハハハ」

中学はなんだかんだ言って楽しかったし、今日でみんなと別れるなんて考えられない。
でも俺達はもうすぐ高校生になるわけで…

「孝介」
「あ?」

佑樹がさっきとは違う笑顔を作っている。
笑顔の裏に、いろんな想いが詰まってるような笑顔。

「お互い頑張ろうな」

「っ…」
驚いた。
佑樹はいつもチャラチャラしてたし、こんなことを言うようなキャラじゃなかったから。

「甲子園」
「は?」
「譲らねーからな?」

佑樹の行く高校はかなりの野球名門校で、はっきり言って俺の行く西浦とはレベルが違うけど…

「おう」

いつか甲子園を懸けて、こいつらと戦いたいと思った。
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