その愛は死に値する
□予感
1ページ/4ページ
「幸村くんっおはよう!」
「ああ、おはよう。」
「きゃーっ幸村くんが挨拶してくれた!」
「何言ってんの!精市くんはあたしに挨拶してくれたのよ!
…精市くん、おはよっ!」
「おはよう」
「きゃぁぁあああっ!ほらね、やっぱり精市くんは………」
煩いな…
どいつもこいつも挨拶一つでこれか。
「ごめんね、急いでるんだ。道をあけてくれるかい?」
そう言うとやっと道があく。
俺は無言でそこを通り、教室へと向かう。
朝から疲れるなぁ…なんて思っていると、少し先を歩く挙動不審な女の子が目に入った。
あんな子、いたかな…
ヘタに声をかけて、また騒がれるのは避けたい。
それなのに、気がつけば彼女に声をかけている自分がいた。
「何かお困りかい?」
【予感】