REBORN短編夢

□さぁ、
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正月といえばまずお参りなのだろうけど、正直私はあまりお参りが好きではない。

群れの嫌いの彼の影響もあって人の多い所は苦手だし、何よりこの寒空の中長い列を待つだなんて冗談じゃない。



それも、一人で。



(…雲雀さんは今頃見回りかな)



毎年正月の初日に乗じて騒ぐ群れをしばき倒すんだと意気込んでいた彼のことだ。
今ごろ浮かれた群れ達はそのトンファーの元に制裁されているだろう。


私はまぁ暇なのでこうして炬燵でぬくぬくしているわけである。

お参りは彼が暇になった時にでも一緒に行ければいいかな、程度にしか考えていない。
神頼みはあまりしない方だ。


まぁ、一番の願いは叶っているから、というのもあるのだけど―――

自分は幸せ者だなぁ、とあらためて感じながら炬燵の上にみかんを縦に乗せていく。



(そうだ、雲雀さんが来たらカステラ食べよう…冷蔵庫にあったっけ。)



3つ目が乗り、4つ目はさすがに無理か、と思いながら手を伸ばした、丁度その時。




がららっ、

扉の引かれる音。

うとうとし始めていた頭が一気に覚醒する感覚。



「…え、」


早くね?



目を瞬かせ口をぽかんと開けていると構わず雲雀さんは近づいてきて、するりと後ろから炬燵の中の私を捕まえた。




「寒い。」

「ひゃっ!」



冷えきった彼の身体が後ろから覆いかぶさるように抱きしめてきて、思わず声をあげる。
絶妙なバランスを保っていたみかんはころころと炬燵から転げ落ちた。


そんな私の抵抗を押さえるように雲雀さんの腕が回され、両足で身体を挟まれれば完全に彼にすっぽり包まれる形になる。



「見回り…終わったんですか?」

「うん。」

「お疲れ様です。」

「ん…。」




彼の鼻先がうなじの辺りに埋められていてくすぐったい。
一度こうなったら離れないのは経験上わかっていたから、諦めて力を抜くことにした。



「もう…雲雀さん、寒いですよ。」

「だから暖めてよ。」

「っひゃんっ!?」



するり、と服の間から脇腹を冷たい指になぞられた。


ちゅっ、ちゅっ、とうなじから耳へとキスをされ、ぞくぞくと甘い痺れが腰を走る。



気がつけばあっという間に体勢は逆転し、彼に組み敷かれていた。




「っ、初詣、行かないんですか?」

「…ああ、そうだね…」



ふ、と彼が顔を上げて解放されるかと一息つく――間もなく、私の視界は雲雀さんで埋め尽くされた。


つつ、と首から鎖骨、胸へと細い指でなぞりながら、



「じゃあ、選びなよ。」





――寒い初詣に行くのと、僕と暖まるの、どっちが良い?






「…じゃあ、暖かい方で。」









さぁ、


姫始めを始めませう
 

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