ポケモン本棚
□My スーパーヒーロー!
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後ろの方で、人の賑わいの声がする。
昼には至って普通なこの道も、夜はなかなか暗い。
もっとあっちの、賑やかな方の近くに建てればいいのにと思うが、それはそれで騒音などに悩まされるため、仕方がないのだろう。
こつ、こつと響く自分の足音がやけに怖い。
(後少し、後少しで家だから•••。)
その時だった。
「そこの、赤いスカートの女の子。」
いきなりの声にビクリと反応し、足を止める。
恐る恐る振り向くと、そこには見ず知らずの男の人が2人立っていた。
「ちょっと俺らと遊ばねぇ?」
言いながら、だんだん近づいて来る2人。
こ、怖い。
だが、足は地面に張り付いたように動かなかった。
ま、まさか・・・ナンパ?
ニヤニヤと笑う男は、どんどん近づいてくる。
「•••や、嫌•••っ」
怖い。
怖い怖い怖い怖い怖い怖いっっ!!
(助けて•••ノボリさん、クダリさん•••っ!)
そして、男の手が愛梨に触れる瞬間だった。
「ねぇ、何やってるの?」
聞いたことのある声だった。
男達の動きが止まる。
「夜遅くに、か弱い女性を襲うとは•••。
許せませんね。」
無意識のうちに固く閉じていた目を、ゆっくりと開く。
そこにいたのは•••
「サ、サブウェイマスター!?」
「何でこんな所にっ・・・!!」
「僕らの愛梨に手を出すだなんて•••いい度胸してる。思わない?ノボリ。」
「全力を尽くしてお相手しなければなりませんね、クダリ。」
2人がギロリと睨んだ途端、男達は逃げるように走り去った。