ポケモン本棚
□My スーパーヒーロー!
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空は薄暗く、冷たい風が吹く。
自然と足が速くなった。
ギアステーションでの仕事が終わって買い物をし、家へと足を進める。
いつものノボリさんとクダリさんなら、もうそろそろ仕事が終わる時間。
だが今日は見回りの日なので、少し遅くなるだろう。
人通りの多い道を突っ切る。
早く帰って、温かいシチューでも作っておすそ分けしよう。
ノボリさんもクダリさんも、特別上手い訳でもない私の料理を、とても喜んで食べてくれる。
いつもはあんまり笑わないノボリさんの笑顔。
いつも以上に輝いたクダリさんの瞳。
とっても・・・嬉しい。
ギアステーションの前はいつも賑やか。
それは、10時だろうが11時だろうが、そうたいして変わらない。
ちなみに私のマンションは、そんな賑やかな場所から少し路地に入った所にある。
ノボリさんとクダリさんは同じマンションの最上階に住んでいる・・・が、最上階とあって部屋の豪華さは雲泥の差だ。
決して治安が悪い訳じゃない。
けど、周りが賑やかな分、薄暗い路地はそれなりの闇になる。
2人から(特にノボリさんから)、
「9時以降に一人で家に帰るときは、できるだけこの路地を通るのは避けてくださいまし。」
「愛梨、可愛いから。襲われちゃうよ?」
と言われているので、いつもは少し遠回りをし、できるだけ明るい道を通って帰るようにしている。
だが今日は・・・。
(シチューのため!
早く帰んないと、2人が帰ってくるのに間に合わないよね。)
自分を勇気づけ、薄暗い道に足を踏み入れた。