ポケモン本棚

□お菓子と悪戯
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今日はハロウィン。

地上ではカボチャや蝙蝠の飾り付けがされ、ライモンシティ全体がオレンジや黒に色づく。

それはギアステーションでも例外ではなかった。

(あと3分・・・)

「Trick or Treat、お姉ちゃん!!」

笑顔で手を伸ばしてきた子供に、

「間に合ってよかったね、ぼく。」

同じく笑顔を返しながら飴を渡す。

毎年行われる『サブウェイハロウィーン企画』。

変装をした駅員に例の言葉を言えばお菓子が貰える、という、至ってありきたりな企画だ。

「ありきたり過ぎませんか。」

とノボリさんに言ったら、

「だまらっしゃい。」

と一喝されてしまった。

そのくせ「上司命令です」とか言って、魔女の変装を(クダリさんも一緒に)押し付けてきて・・・あぁもう思い出すと腹が立つ。

子供は嫌いじゃない。

だが、スカートが短いだとか、立ちっぱなしが疲れるだとか、文句は山積みである。

しかし!そんな苦しみも、あと1分と12秒で解決するのだ!

どうせノボリさんのことだから、多めにお菓子は注文されているのだろう。

(余った分は、終わったらクダリさんと一緒に全部食い尽くしてやる。)

そう心に決めたとき、ハロウィン企画終了の放送が流れた。
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