ポケモン本棚
□お菓子と悪戯
1ページ/2ページ
今日はハロウィン。
地上ではカボチャや蝙蝠の飾り付けがされ、ライモンシティ全体がオレンジや黒に色づく。
それはギアステーションでも例外ではなかった。
(あと3分・・・)
「Trick or Treat、お姉ちゃん!!」
笑顔で手を伸ばしてきた子供に、
「間に合ってよかったね、ぼく。」
同じく笑顔を返しながら飴を渡す。
毎年行われる『サブウェイハロウィーン企画』。
変装をした駅員に例の言葉を言えばお菓子が貰える、という、至ってありきたりな企画だ。
「ありきたり過ぎませんか。」
とノボリさんに言ったら、
「だまらっしゃい。」
と一喝されてしまった。
そのくせ「上司命令です」とか言って、魔女の変装を(クダリさんも一緒に)押し付けてきて・・・あぁもう思い出すと腹が立つ。
子供は嫌いじゃない。
だが、スカートが短いだとか、立ちっぱなしが疲れるだとか、文句は山積みである。
しかし!そんな苦しみも、あと1分と12秒で解決するのだ!
どうせノボリさんのことだから、多めにお菓子は注文されているのだろう。
(余った分は、終わったらクダリさんと一緒に全部食い尽くしてやる。)
そう心に決めたとき、ハロウィン企画終了の放送が流れた。