よみもの
□夜のお花見
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「君たち、お花見に行こう!!」
「は?」 「え?」
みんなが一斉に清継くんをみる。
いきなり、こんなことを言われればだれだってみると思う。
「清継君・・・なんでいきなりお花見?」
「家長君たち、これを見たくれたまえ。」
一冊の本を取り出して表紙をみてみると
「わっ、わたし!?」
そこには、カナが写っていた。
「これ、今月のピチレモンだよね!?清継くんなんでもってるの!?」
みるみる真っ赤になっていカナ。
「マイファミリーが写っているんだ。持ってて当たり前じゃないか。それと見てもらいたいのはそれじゃなくて、これだ。」
数ページめくって、指をさした。
「清継くん、何すかこれ?」と島。
「また、妖怪じゃなーよな?」と巻。
「えっと、「妖怪が集まる!?パワースポット」?」
その下には写真があり、それを見た氷麗は、小さくヒッと言った。
「わ、若ぁ、まずじべ・・・」
リクオはあわてて氷麗の口をおさえた。
視線がいっきにそそがれる。
「どうしたかね?奴良くん、及川くん。」
「なんでもないよ。つづけて。」
すこしたってからまた、清継は話し始めた。
「氷麗、声が大きい。」
「す、すみません若・・・。」
氷麗は1呼吸してから
「しかし、あの写真この前がお花見に行った所ですよねぇ? それって・・・人間に見られたってことじゃない・・・!?」
リクオはあわてて口をおさえる。
「氷麗、声が大きいってば。」
みんなの視線がまた2人にそそがれる。
「リクオくん、どうかしたの?」
「な、なんでもないよ、カナちゃん。ところでいついくの?」
清継は、おおきく息をすってから
「それはもちろん明日さ!明日の午後2時に学校前に集合だ!!」
と、胸を張って言う清継。
「分かった。じゃあ、僕達もう帰るね。」
氷麗の手をひっぱてでていくリクオ。
及川さん・・・と小声で言う泣きそうな島。
その横で、複雑な顔をしているカナ。
・・・リクオ君と及川さん見てると、なんかイライラする・・・。
「じゃあ、マイファミリー明日またあおう!!」
ごきげんで帰る清継。
バイバイとみんなに手を振って帰るカナ。
でも、うれしいな。皆とお花見にいけるなんて・・・リクオ君とも見れるんだよね。 早く、早くあすにならないかなー・・・。