よみもの
□大好きです。
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「リクオ君!一緒に帰ろ!」
後ろから彼の背中をたたく。
「わっ!カナちゃんか・・・。びっくりしたぁ。」
「カナちゃんか・・・って、何で残念そうなの?」
「えっ!?別に残念じゃないよ!!」
リクオ君があわてて首と手をふる。
「本当に〜?」
と問いつめていると・・・
「おーい!奴良君、家長君そろそろ始めるぞ!実は今日貴重なものが手に入って・・・。」
と声と同時にきよつぐ君が教室に入って来た。
「及川さんも早く!」
と、一緒に入って来た島君が言う。
「ごめん・・・。きよつぐ君、今日私達先に帰るね。」
「たち?」と隣にいるリクオ君を見てから
「君達、先週も早く帰ったよね?今日はちゃんと来てもらうよ。」
と近づいてきた。
ど、どうしよう・・・リクオ君と早く帰りたいのに・・・。」
「行こう、カナちゃん。」
「え?」
リクオ君が私の手を握って走り出す。
「ごめんね!僕達先帰る!」
「あっ、こらっおい。」
私はリクオ君にひかれたまま、走る。
痛い視線を無視して・・・。