06/07の日記
21:35
復活×サイカノ/綱吉
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ひと欠片のチョコレートを綱吉は大切そうにポケットに入れた。溶けるかもしれないが、贅沢は言ってられない。
もうすぐ、世界は終わる。
ちせの言葉は横暴な兵士達よりもずっとずっと、信憑性があった。信じたいわけではない。しかし、信じるしかないのだ。
ちせの言うもうすぐというのがいつの話なのか、綱吉には見当もつかない。もしかしたら数ヵ月後かもしれないし、もしかしたら次の瞬間かもしれない。
ボンゴレファミリーの十代目として、綱吉は何か出来ることはないか……と考えたこともある。だが、いくら力をつけたとしても、頼れる仲間がいたとしても、……世界には逆らえない。
いくらボスといえど、綱吉とて人間なのだ。
もしも逆らえる者がいたとすれば、きっとそれは、綱吉が知る限り一人だけだ。
「……さいごに皆に会いに行こうかな」
綱吉は笑った。怖くて怖くて仕方がないというのに、笑った。
自分でもなぜ笑えているか分からない。気が可笑しくなったのかもしれない。
――けれど、それでいいかもしれない。可笑しくなるなら、とことん可笑しくなってしまえばいい。
「ああ」
空を見上げた綱吉は、その眩しさに目を細めた。
「空が赤いなぁ」
さよなら、世界。
(それが終わりの合図です)
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逆らえる者=ちせちゃん
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