どこ

□なんということでしょう
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「何なの、あなた」

それはこっちの台詞だと銀時は思う。
ようやく光が収まって目を開けたら、目の前には見知らぬ少年がいて先程まで一緒にいたはずの神楽と新八の姿は無かった。
どうなってんだと銀時が思考を巡らそうとすれば、少年がトンファーを突きつけてくる。穏やかではない展開に、銀時は思わず息を飲んだ。

「いや、あの、少年……」
「謎の光が収まったと思ったら、今度は不審人物。よほど僕を怒らせたいらしいね」
「話を……」
「言い訳は無用だよ、不審人物。咬み殺す」

殺すって、そんな物騒な。
銀時が突っ込む間もなく、少年はトンファーを勢いよく振り回した。
耳元で風を切る音がする。銀時の髪が数本、ハラハラと床へ落ちた。想像していた以上の威力に、銀時の顔が引きつる。

「怖ェー、今の若者は随分と物騒じゃねェか」

床に落ちた髪を見つめながら、銀時が呟く。

「ワォ、中々やるね」

攻撃を避けられた少年が微かに笑みを浮かべながら言い、トンファーを構え直す。
銀時は勘弁して欲しいと思った。
何もかも、わけが分からない。よく見れば先程までいた場所と全く違う景色だし、初対面のはずの少年には出会い頭に攻撃されるし。しかも攻撃を避けたら、少年がやる気になってしまっているし。

「……まァ、待て少年。ここは穏便に話し合わねェ……か!?」

戦闘する気など全くない銀時が、話し合いを提案しようとするが、少年はそんなこと知るかとばかりに攻撃を仕掛けてくる。

「だから聞いてるでしょ。何なの、あなたって」
「ちょっ、タンマ! 答えさせる気ある!?」
「ある」
「ないだろォォォ!!」

ブンブンと振り回され、的確に急所を狙ってくるトンファーをなんとか避けながら、銀時は叫ぶ。

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