どこ
□会話はキャッチボールだ
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「話せば長くなるが……」
とりあえず椅子に座り直して、銀時は分かっている範囲で話し始めた。
この世界に来る直前にはとある倉庫にいたということ。
原因と思われる光のこと。
しかし、その光が何なのか……そしてどういう原理で飛ばされたのかまでは分からないということを。
信じてもらえるように非常に真剣な表情で、その場の皆……特にリボーンに訴えかけた。
リボーンが銀時の言葉を信じているかは定かでないが、興味深そうに聞いていた。
「……なるほどな」
銀時の話が一段落したところで、リボーンがウンウンと頷きながら言った。
どうやら、その反応からすると多少は信じてもらえたようであった。
銀時はホッと胸を撫で下ろす。どうにか撃たれることはないだろう。
「だが」
そんな銀時の安堵とは裏腹に、リボーンが声を上げた。
ビクンと体を大袈裟に震わせて、銀時はリボーンが次に発する言葉を待つ。
「簡単には信じられねぇな」
「……ですよねー」
リボーンの言葉は、至極当たり前であった。
銀時とて、見ず知らずの人間にいきなりトリップしてきました、別の世界からきましたなんて言われても、簡単に信じることは出来ないだろう。
例え、相手の話がいくら辻褄が合っていようと。
しかし、銀時がトリップしてきてしまったことは本当のことなのだ。
いくら信じられないと言われようが、信じてもらうしかない。
「銀時」
リボーンが突然、ニヤリと笑った。
その笑みに嫌な予感がしたのは、銀時と綱吉だけであった。