キャプテン=赤

□第15話
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その日の夜

シズが能力者になったからということで
宴をすることになった
シズはシャツと短パンに着替えて酒場へと向かう






刀をさして、足を進めていると
殺気を感じたので刀に手をかけて振り返る

「おっとお嬢さん、抜いちゃぁいけねぇ」

カチカチと氷の割れる音…
刀にかけた手をソイツは押さえた

「海軍…青雉…?」

シズは雪になり、距離をとる

「お?能力者か…
お嬢さんは海賊か?」

一歩も動かない青雉…

冷や汗がふわりと雪に変わる





ここで否定すれば、一応言い逃れはできるだろう

「違うよ」

クザンは笑うとシズへと足を進める

「別に、海賊だからって捕まえたりしないさ」

なら、さっきの殺気はなんだったんだと言いたくなったのだが呑み込んだ

「俺は今、散歩をしにきただけだ」

彼はシズの頭を撫でる
どうしてこの世界の人間は頭を撫でるのだろうか

「そうなんですか」

一応、警戒を解いて話す

「アンタ、なんの能力なんだ?」

「……自然系の…ユキユキの実です」

さっきのを見ればわかるだろうが
一応親切に教えておく





たまたま近くにあった水で手を濡らし
息を吹きかけると
水は雪となって舞った

「へぇ…」

感心したようにクザンは見る

「あの…待ち合わせしてるので
行ってもいいですか?青雉さん」

一応初対面という形なので青雉と呼んでいると「クザンでいい」とお許しが出た

「じゃあ、クザンさん
またどこかでお会いしましょう」

シズはペコリと頭を下げ
走って酒場へ向かった
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