キャプテン=赤

□第18話
2ページ/3ページ


「いやああああああああああ」

悲鳴と共に震えながら跳ね起きるシズ

耳を塞ぎ、激しく騒ぎ立てながら首を振る

「嘘だ!!私はここにいる!!嘘だ!!嘘!!」

呼吸が上がる
涙で何も見えなくなってきた

「うああああああああああああ」

混乱で頭がぐちゃぐちゃになる

「シズ!!」





気が付いたらシズはキッドに抱きかかえられていた

「おい!!シズ!!」

ガクガクと力強く揺さぶられる

まだ、血が上りきっていないのか
目の前がちかちかする

「キッド…」

声を出すのも一苦労といった感じだが
なんだか様子のおかしいキッドを見て声をかけずにはいられなかった




シズはカップを両手で包むように持つ
部屋でシズは体育座りをしていた

「島を出る前の夜、シズが海軍大佐と会ってるのを見たってヤツがいたんだ」

キラーがのそりと横に座り、頭を撫でる

「………今なら話せるよ」

今の自分は、この船の船員の一人だ

「大将クザンとばったり出くわしたんだよ
本当に偶然
でもね、大将だって知ってたからヘタに出れなかったし
向こうは、”お散歩中”だとかで逃がしてくれたんだよ」

自分で口にしてみて、言い訳がましというか…
なんともうまく行き過ぎのような…

だが、大将のような人間が
名も無い女海賊をわざわざ手を下す程でもないのかもしれない



この海では、強くなければ
自分が手をくださずとも勝手に野垂れ死ぬのだ
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ