貴方の手で救われる
□第3話
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初めてアイツを見たとき
なんだか、護ってやらなきゃいけないような衝動にかられた
いきなり俺のベッドに打ち付けるように現れたコイツ
安心しきって眠る姿は
邪魔する気にもなれず
空いていた船員室に移してきた
通りすがりの船員達に好機の目線を向けられてる気がしたが
睨み返したら、一回身体を震わせてそそくさと逃げていった
ベッドに寝かすと
一瞬寝返りを打つ
漆黒の髪が白いシーツに広がり
一瞬体中に血が駆け巡った
「おい」
近くにあった椅子に座り、声をかけてみる
すうっと寝息を立てているコイツはどうしてここにいたのだろう