あなたが好きなだけなのです
□出会いの予兆
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ガサリ、
後で物音がした
…気配の消し方、劣った？
「出てきなよ、居るんでしょ」
そう声を掛けると
にこにこ笑ったあのこ。
いつもいつもだらしない顔。
随分前はそうじゃなかったのにね
「あのね、恭弥さん…」
「なに？」
いきなり表情を変えた
妙に深刻そうな表情だったから
聞いてあげることにした
そういえば今日は南国果実一緒じゃないんだね
「貴方がどうしてそんなにかっこいいのか
考えたんですよ」
「…結局それ？」
「まず他の人とオーラがちがいますね
あとはー…」
「スルーとか良い度胸だね」
「やっぱり全部かっこいいです。好きです恭弥さん」
「…知ってるよ、他に言うことないの？」
「じゃあ、愛してます」
「…それも、知ってるよ」
「ああどうしよう…言葉にしたとたんさらに愛しくなりました
誰よりもすきです、貴方さえいれば何も…」
「君さ、どうしてこんなに僕に執着するの」
そう聞くときょとんとした顔で見つめてきた
そしてふわっと笑った
「好きだから」
「…まったく意味が分からないよ」
一人の人間に夢中になるなんて
「貴方に救われたんですよ」
「は…？」
「あ、何でもないです。ごめんなさい」
僕が、救った？
何かの間違いじゃないの？
「…そういえば南国果実はどうしたの？」
「え、骸君ですか？ま、まさか二人は両想い…！？
嗚呼、恭弥さんが選んだ人ならしょうがないです…
なんという運命の悪戯……「何勘違いしてるの」
ホントに、呆れた子だ。
。