月物語短編

□魔王であり、救世主であり
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「たらったらら〜♪恋する女は嫌いよ〜♪っと」

涼はいつになくご機嫌で庭院を執務室に向かい歩いていた。

人気を確かめて茂みから顔を覗かせれば、太陽を浴び煌めく金糸が視界に止まる。

…あの日と同じ…

変わらず、凛と佇む姿は月下美人のよう。

「―お〜い、潤月〜!」

大声で呼ぶと潤月は嫌そうに振り返ったが、いきなり血相を変えた。

「―涼っ!」
「―え?」

潤月に引っ張られ二人で仲良く池の中にダイブ。


 
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