帝都探偵倶楽部

□200万の探し犬
1ページ/5ページ






瑠「始めまして、帝都探偵倶楽部の川崎です」

「あ‥‥」

瑠「今、ちょっと話せるかな?」




瑠生はに200ま‥‥いや、犬探しを捗らせるために今回の依頼者・北河千歳のもとを事情聴取のために訪れた。
そして抗議が終り講義室から出てきたところを上手く捕獲した‥‥と思ったのだが




「何者だオメェ!!」

北「俊くん!ダメだよ、喧嘩売らないで!!」





突如現れた【俊くん】と呼ばれる酷い訛りの色黒の男に胸倉をつかまれてしまった。






瑠「(さっき名乗ったのになぁ‥‥)帝都探偵倶楽部の‥‥」

俊「どえりゃぁ長ぇ苗字だなお前」

瑠「いえ、今のは肩書きです」

俊「なんだそりゃ、旨ぇのが?」

瑠「とっても不味いですよ。‥‥北河さん、こちらの方は?」






北河に問うと、彼女は恥ずかしそうに顔を伏せ耳を澄まさなければ聞き取れないようなか細い声で話す。





北「あの‥‥私の幼馴染み、の‥‥」

俊「田中俊彦だ!!覚ぇとけ!!」

瑠「ええ、覚えさせて貰います。‥‥‥で、お話聞けますか?北河さん」

北「え、‥‥あ‥‥はぁ」

瑠「場所はここでいいですか?」

北「‥‥あ‥‥‥いえ‥‥その」

瑠「カフェテリアにでも行きますか?」

北「‥‥‥はい」

俊「おらさも行くだよ!!」

瑠「是非。彼女と2人で会話を成立できる自信はないので」

俊「んな!?デートする気だっただか!?」

瑠「(どこをどう聞き間違えたらそう聞こえるんだか)」

俊「あんだおめぇ!?その顔、おちょくってんのか!?」

瑠「まさか。さっさと移動しましょう」




「そうじゃなきゃ俺の身が持たない」と小さく呟いた瑠生の言葉は北河にも俊彦にも聞こえるはずはない。

まだどこか不服そうな俊彦を宥めながる北河と俊彦は警戒しているのか2人揃って瑠生の後を少しあけて歩く。





瑠「北河さんはどこの学部でしたっけ?」

俊「おらぁ、工学部だ」

瑠「‥‥‥‥」

俊「千歳は文学部だ。んな顔でおらを見んじゃね」

瑠「俺は北河さんに質問しているんです」

俊「んならそうと言え」

瑠「‥‥‥人文社会学科でしたっけ?答えてください北河さん」

北「え‥‥はい‥‥そうです」





どうやら最後に彼女の名前をつければ俊彦は満足のようで、『うんうん』と満足げに頷いている。






瑠「サークル、とかは?どうなんですか北河さん」

北「‥‥‥‥‥」

瑠「‥‥北河さん?」

北「‥‥‥入って、ません」

俊「‥‥え?」





北河の言葉に、俊彦は怪訝な顔をする。





俊「んなことねぇべ?千歳お前‥‥‥」

北「入ってません!!俊くん余計なこと言わないで!!!!」

俊「よげなことじゃねぇべ!?嘘は良くな‥‥」

北「嘘じゃない!!!‥‥‥それに必要なことは全部教授にお話しました!!それ以上の事は貴方達に関係ありません!!」

俊「ちょ‥‥まで‥‥おい!!」

北「いいから‥‥‥!!」





北河は真っ白い顔を真っ赤に染めて、さっきまでからは考えられないような大きな声でそれだけ言うと俊彦を連れて走り去ってしまった。





瑠「‥‥‥やっぱ訳あり、か」






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ